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御言葉にいきるBIBLE MESSAGE

人の弱さを通して働かれる神

リッターガルド教会(スウェーデン)牧師 フレデリック・リグネル

   
 もちろん、私たちの信じている神様は、そのようにされませんでしたね。モーセが抱えていた言葉の問題は何だったかよくわかりません。もしかすると、彼には吃音があったのかもしれません、ただ弱々しい声だったのか、単に人前で話すことが苦手だったのか、あるいは発声に問題があったのかは分かりません。彼にそのような問題があるなら、それを奇跡的に癒して、彼を励まし、「大丈夫!あなたにはできる」と言ってくださればいいように思いませんか。神様が、そんなに大きな仕事をしなさいと言われたのですから、それが出来る力を彼に与えたらどうでしょう。しかしながら、彼は問題を抱えたままでした。神様が新しい仕事をするように言われてからも何も変わりませんでした。神様はモーセに、彼の持っている能力、痛み、喜び、体験、弱さ・・・それを用いられることにしたのです。

   
 私は、神様はもっと別な方法を取ることも可能だったと思っています。それは、なんでも完全なことができる力強い天使を送ることです。神様はそれができるハズだと思います。もし天使ならば、決して失敗することはありませんし、苦しむこともありません。でも・・・残念ながら(!?)、神様はそれをしませんでした。モーセを使うより、天使を使う方が効果的で簡単だったと思うのですが、神様は、苦しみも痛みも知ってる人を用いたのです。神様の働きには、そのような人が必要でした。罪が赦されることを人に語るのは天使ではダメなのです。福音を話すためには人間が必要です。自ら赦しを経験している人間が必要なのです。

   
 あなたも、神様と共に歩んでいるときに、苦しみがあったり、痛みを感じる時もあると思います。決して良いことばかりではないかもしれませんし、状況がますます悪くなる時もあり得ます。そのような時、多くの人は“わたしは神様と共に歩むことはふさわしくない”と考え、“私なんか神様に用いられることは無い”と言います。あなたはどうでしょう。そんな時、このモーセのことを思い出してください。彼は、結果的にとても大きなことを成し遂げましたが、彼の持っていた問題が奇跡的に癒されて、その結果出来た訳ではありませんでした。彼が働いていた時、問題はそのままでした。彼は問題を抱えたまま歩んだのです。

   
 もちろん、主は奇跡的に癒されることもあります。聖書にはたくさんそのような例が示されています。突然目が見えるようになったり、歩けるようになったり、時には死んだ人が生きかえったことも書かれてあります。しかし、何度も言いますが、時には痛みも苦しみも、問題はそのままで、弱さの中にあるままで神様が働かれるのです。

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