出エジプト４章を読みたいのですが、ここに出てくるモーセの生涯を少しだけ思い出して下さい。モーセが生まれた頃、イスラエルの人はエジプトで奴隷になっていました。モーセはイスラエル人でしたが奇跡的にエジプトの王宮で王子として育てられました。その物語を皆さんはよく知っておられることと思います。彼は成長したある日、エジプト人のイスラエル人に対する横暴を見て、思わず撃ち殺してしまいました。そのために王宮から逃げることになり、ミデアンという山で羊飼いになり、そこで結婚して家族と幸せな生活をしていたようです。そして80歳になった時・・・きっと平穏の中で一生を終えるつもりだったと思うのですが・・・燃える柴の中に神様が現われるという事件が起きました。彼はそこで靴を脱いだと言われています。そこが聖なる地になったからです。
燃える柴の中から神様の声があって、モーセに新しい仕事が与えらえました。とても難しそうなことで、普通では考えられないようなことでした。それは、エジプトの王様であるパロのところに行って、ユダヤ人をエジプトから脱出させるようにしなさいと言うのです。パロは、とても大きな権力を持っている方です。どこかのオフィスに行くような訳にはいきません。モーセは、「私にはとてもそのような難しいことはできません」と言いました。4:1-2には「モーセは答えた。「ですが、彼らは私の言うことを信じず、私の声に耳を傾けないでしょう。むしろ、『主はあなたに現れなかった』と言うでしょう。」主は彼に言われた。「あなたが手に持っているものは何か。」彼は答えた。「杖です。」」という神様とのやり取りが記されています。
神様の質問はとても興味深いですね。モーセが、とてもできないという自分の気持ちを、くどくど説明した時、その言葉には直接応えずに、「あなたは手に何を持っているか？」と言われました。もしかすると、あなたにもこのような経験があるかもしれませんね。あなたが神様に、「私には難しい・・」と返答すると、頑張りなさいとか、私が何とかしてあげるから・・・とか言わず、あなたは何を持ってるのかと聞かれる、そういう経験です。神様は、あなたの生活はどのような状態か？ あなたにはどのような可能性があるか？・・・などを問われます。多くの場合、励ましの言葉を言ってくれるのではなく、あなたができることから始めればいい・・と言われているように見えることがあります。