器のなかにある光
少し前になりますが、NHKの朝ドラの「スカーレット」という、滋賀県の女性陶芸家、川原喜美子さんの生涯を描いたものを見ました。そこには少し不思議な女性が登場していました。その方は川原さんの工房を訪れて、そこに置いてある作品を指でそっと触れると、それぞれの器の音色が聞こえると言うのです。器は、それぞれが違う音色を持っていて、それを聞くことができるって、あまり聞かれないことですが、単に見た目ではなく、音がするって・・・面白い表現ですね。神様は、あなたを造られましたが、彼女が言うように、器は製作者の想いと、器そのものの性質が相まって、音色になって溢れてくるのかもしれません。神様が私たちに語りかけ、私たちそれぞれが持っている音色を、他の人にも聞かせることが出来るとすれば、素敵な事です。
それは、器の中にある、測り知れない力を外に出す時に奏でる音と言えるかもしれません。「闇の中から光が輝き出よ」と言われた神が、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせるために、私たちの心を照らしてくださったのです。(Ⅱコリ 四章六節)と記されていましたが、光は私たちを照らして下さり、測り知れない力があることを明らかにしてくださいます。その時に、それぞれが持っている器に与えられている賜物を、他の人が見ることが出来ます。その力は、どれほどの力なのでしょうか。測り知れない神の力と言うのですから、天地創造の時に「光あれ」と言って光を造られたような力と言えるかもしれません。
いわば全宇宙を包み込むような力が、神様の造られた土の器の中にあり、あなたはそれを持っていることになります。
それに気づいておられるでしょうか。器の中に光があるのですから、その光は器の傷やひびを通して外に出て、器を見ている人は、中にある光に気づきます。その時、あなたらしい音がするとすれば、素敵なことですね。土の器には、傷やひびがあってもいいのです。ありのままでいいのです。完璧な状態である必要がありません。