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御言葉にいきるBIBLE MESSAGE

器を傾けたマルタ

堺福音教会 牧師 福留 正明

仕える器

 エレミヤ書十八章二節~六節に、このような御言葉があります。
「『立って、陶器師の家に下れ。そこで、あなたにわたしのことばを聞かせる。』 私が陶器師の家に下って行くと、見よ、彼はろくろで仕事をしているところだった。陶器師が粘土で制作中の器は、彼の手で壊されたが、それは再び、陶器師自身の気に入るほかの器に作り替えられた」、「見よ。粘土が陶器師の手の中にあるように、イスラエルの家よ、あなたがたはわたしの手の中にある。」陶器師は自分の手の中で、器を作り替えられます。そのようにマルタは、イエス様の言葉によって変えられたのです。

   

 実は、今回のCLSを始める時に、ある方が案内のポスターを作ってくれました。そこに描かれている器は少し傾いています。その器から、何かが溢れているかのように感じました。香油でしょうか、何かの飲み物でしょうか、それが注がれているように見えました。そして、この図がベタニア家に集まった人たちに給仕しているマルタの姿と重なって見えたのです。丸みを帯びた器は作り変えられた彼女の心で、彼女はフットワーク軽く、集まっているたくさんの人々の間を笑顔で支えている姿です。マルタは人の前で自分の膝を折って・・器を傾けて・・仕えたのです。

   

 そこにはどのような人が集まっていたでしょう。まずイエス様、弟子たちがおりました。弟子たちの中には、マリアの行動を非難し、その後イエス様を裏切ったユダもおりましたし、イエス様とラザロの命を狙っていた人たちもいたのですが、マルタは笑顔で給仕しました。その様子は、まるで弟子たちの足を洗うイエス様のようではありませんか。マルタは、イエス様が自分に語られた言葉を、しっかりと受け止めて行動していたのです。

   

 マルタの変化は、妹がイエス様の足元でじっとしている姿を見て、思わず自分の中に湧き上がってくる怒りとイライラを正直にイエス様にぶつけた、あの時に起こりました。正直な気持ちはイエス様に言ってもいいのです。それによって、イエス様から大切な言葉を聞くことができました。マルタは人々の必要を自分の耳で聞いて給仕しながら、イエス様の言葉には霊の耳を傾けていたのです。そんなことを考えると、マルタの特質を「器を傾ける」という言葉で表現できると思いました。

   

 彼女は、主によって作っていただいた自分という土の器を傾けました。その器の中に注がれたいのちの光、いのちの水、いのちのぶどう酒をあふれさせました。杯を傾けて中にあるものを注いだのです。自分の好みや、自分との関係性を超えて、彼女の周りにいるすべての人々に注いでいきました。

   

 妹のマリアは香油の器を砕いて香油をイエス様に注ぎましたが、マルタは自分という器を傾けて、器の中のいのちを、イエス様をはじめすべての人に注ぎました。まるでイエス様の心を、自分の心として、イエス様に代わって人々を支えているかのように見えるのです。あなたは、どのようにイエス様への愛を表現されますか。

   

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